○立命、逆転で勝ち点奪取

 悩めるリードオフマンに待望の当たりがでた。9回二死満塁の場面。左前に適時打を放ち、金子は塁上で満面の笑みを浮かべた。  開幕からなかなか快音が聞かれず、2試合で1安打と、ベストナインを受賞した春とは雲泥の差だった。結果を求め、打ちにいこうとするあまり、打撃フォームを崩してしまっていた。「期待してもらっていたのに、自分が悔しかった」と金子は話す。  試合後、金子の目から思わず涙がこぼれた。その両肩には「打たなければならない」という重圧が重くのしかかっていたのだろう。  強豪近大から大きな勝ち点を獲得した立命。5位に甘んじた昨季の雪辱を果たすため、まずは幸先のよいスタートを切った。 ○近大、継投失敗で痛い黒星

 開幕カードがいきなり宿敵立命との対戦となった近大。決着の3戦目。今季優勝を狙うには、どうしても倒しておかなければいけない相手だった。  初回、一死3塁から3番長谷川の適時打で先制するも、その後は両チーム淡白な攻撃で1-0のまま試合は停滞。このまま逃げ切れるはずだった。ところが8回、それまで好投をみせていた先発の山本隆がピンチを招くと、代わった小出が打たれ1-1の同点に。  同点のまま試合は9回へ。一死2塁の場面で、マウンドを託されたのは左のエース中後。だがこれが誤算だった。制球が定まらず、四死球で走者をため満塁に。立命1番の金子に決勝点となる適時打を浴びてしまった。  その裏、近大は反撃のチャンスすら作れず、終わってみればわずか2安打1得点。投打がかみ合わず、宿敵相手に無念の黒星を喫した。榎本監督は「逃げの心境だとダメなのはわかっているが、逃げ切りたかった。1戦目からそうだが、投手の代え時を間違えました」と肩を落とした。  開幕から痛い結果に終わった近大。再び王者の座につけるのか。リーグはまだ始まったばかり。ここからの巻き返しを狙う。

立命 0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 近大 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 【立命】澁谷、小松、永田、工藤ー新田 【近大】山本隆、小出、中後ー山本優