昨年の日本選手権では自己ベストとなる1メートル82をマークし、2位に入った三村。今回、全出場者の中でトップの記録を持ち、優勝候補と目されていただけに悔しい表彰式となった。
今年4月の和歌山選抜で踏み切り足となる左足を故障。今大会までに完治せず、跳躍の際にもわずかながら痛みを覚えていたという。故障が再発する恐怖。綱渡りの跳躍が続いた。
1メートル71は2回目、74は3回目で成功。通常なら難なくクリアできる高さでの苦戦が、現在の状態を物語る。「突っ込みすぎて、スピード任せになって いた」と三村。故障による練習不足が尾を引き、本来の跳躍ができなくなる悪循環。ライバル不在で14年ぶりの学生チャンピオン誕生が目前だっただけに、 「(状態が悪くても)負けない選手を目指したい」と悔しさをにじませた。

女子1500メートルでは、立命の大物ルーキーが片りんを見せつけた。
1組3着(4分21秒77)の藪下は、昨年の日本高校ランキング5位。長距離の名門・須磨学園高で活躍し、インターハイでも4位に入った実力者だ。同組5位(4分21秒91)伊藤も、付属校の立命館宇治高でエースとしてチームを支えてきた。
序盤は集団中ほどでレースを進めた2人は、ラスト1周を過ぎたあたりでスパート。一時は先頭に迫る走りで、決勝進出となる5位以内に食い込んだ。
男子1500メートル予選に出場した今崎俊樹(立命・2年)は積極的な走りで一時は先頭に立つも、後半に失速。2組8位で予選敗退となった。

地元の観音寺中央高出身で、関西インカレで1年生ながら2位に入った女子ハンマー投げの深部瑞穂(関大)は、満足な投てきができず、47メートル42で14位に終わった。

5日は女子1500メートルなど、18種目で決勝が行われる。詳細、結果などは大会特設HP(http://www.rikuren.or.jp/taikai/792/sp/index.html)で。

●第94回日本陸上競技選手権大会1日目(6月4日・丸亀競技場 加盟大関係分)

 

男子の部
1500メートル予選
今崎俊樹(立命・2年) 3分52秒67(2組8位)

女子の部
400メートル予選
森永早紀(立命・1年) 57秒80(1組6位)
片岡紗希(立命・4年) 56秒74(2組5位)
走高跳
三村有希(関大・4年) 1メートル74 3位
ハンマー投
深部瑞穂(関大・1年) 47メートル42 14位