出演した6団体のうち、同志社学生混声合唱団「C.C.D」と神戸大混声合唱団「アポロン」が難易度の高い無伴奏のミサ曲を選曲。両団とも、曲と曲の間に集中力が途切れることはなく、ギリシャ語とラテン語で書かれた曲を安定感溢れるハーモニーで見事に歌い上げた。

 ミサ曲とはうって変わって、メッセージ性の強い選曲が目立った他の4団体。中でも阪大混声合唱団は平和をテーマに掲げ、同じ作曲家による3曲でアラカルトステージ「Songs for Peace」を構成した。練習時には、指揮者の谷澤勇亮さん(阪大・3年)が歌詞に谷澤さん自身の解釈を施したプリント配るなど、歌詞に想いを込めて歌うことを徹底して練習。演奏ではその成果が表れたのか、「(お客さんに)思いが届いたのではないでしょうか」と谷澤さんは満足した様子で話した。

 6大学合同演奏では客演指揮者に飯沼京子氏を迎え、近年の関混連の合同演奏では珍しい外国語アカペラ曲が披露された。2000年代に作曲され、これまでに世界各国の数々のコンクール入賞合唱団によって演奏されてきたという「Major caritas Op.5」より5曲を選曲。3月から6回にわたる合同練習を重ね、総勢250人以上の学生らによる重厚感溢れる歌声を会場全体に響かせた。

 合同演奏が終わると会場からは惜しみない拍手が送られた。アンコールにはピアノ伴奏に合わせて木下牧子作曲の「うたをうたうとき」が披露され、演奏会は静かに幕を閉じた。

 

 また、合同演奏の前には「Major caritas Op.5」の作曲家、パミントゥアン氏がサプライズでステージに登場した。日本の学生の合唱を生で聴くのは今回が初めてというパミントゥアン氏。演奏会の初めから客席で各合唱団の演奏を聴き、「ハイレベル。学生たちは合唱を本当によく理解していると思う」と出演者らを絶賛した。

 昨年40年の節目を迎えたばかりの関混連。これまでは大阪や神戸にあるホールで演奏会を行っており、滋賀県では今回が初めての開催となった。「滋賀県なので集客には本当に苦労した」と話すのは、関混連理事長の稲垣公二郎さん(関大・3年)。だが、予想以上の来場者を見て「思った以上にたくさんの人が集まってくれて本当にうれしいです」とホッとした様子で話した。