○立命 インカレへ向け、まずは関西制覇

ここまで互いに全勝で駒を進めてきた立命と関大。優勝争いを制したのは立命だった。「ほっとしてます。実感がない」。試合後、ここまでチームを率いてきた頭山主将に思わず笑顔が浮かんだ。

1点リードで迎えた3回。無死1塁で打席には藤川。この春絶好調の3番バッターが放った打球は右中間を越え、ランニング本塁打。「気持ちよかった」(藤川)。この一打でチームは勢いづき、この回一挙4点。ライバル関大を突き放した。

関西での戦いを全勝優勝で終えた立命。しかし3番の藤川は「(関西で)全勝優勝できないとインカレは取れない」と驕ることがない。ここ2年インカレで初戦敗退を喫しているだけに、それにかける思いは強い。

「(インカレに向けて)速いピッチャーを打って戦いたい」と頭山主将。この春を戦ったことで課題もはっきり見えてきた。「(目標であった)関西制覇はで きたので、(次は)西日本大会とインカレを制覇します」(頭山主将)。目標は高く、希望は大きく。立命ソフト部の戦いはこれからも続く。

○関大 目の前で逃した優勝

悲願の優勝が目の前で逃げていった。「勝てる試合を落としてしまった」。肩を落とした湯川主将。もう一歩のところで届かなかった優勝。関大ナインに後悔の念が募った。

ここまで関大のマウンドを守り続けてきたエースの藤井が3回、立命打線に攻められた。3番藤川に本塁打を許すと、自身で3四球を謙譲してしまい、3回一死でマウンドを降りた。藤井は「疲れもあったけど、自分たちのミスで向こうに流れをやってしまった」と話す。

破れはしたが、この春に関大が得た収穫は大きい。「強くなった。それは実感している」と湯川主将。夏にはインカレが待ち受けている。この悔しさを夏にはらすことができるか。今後も関大から目が離せない。

●春季関西学生ソフトボール男子(5月4日・万博記念公園スポーツ広場)
▽第2試合

  1 2 3 4 5
立命 1 0 4 1 6
関大 0 0 3 1 4

(90分ゲームのため4回終了)

【立命】○小川、古賀、小川−頭山
【関大】●藤井、西−瀬戸

○同志社 代打が決めた大きな一勝

3−4と1点ビハインドで迎えた5回。一死2、3塁で同志社は打席に代打、椎葉を送った。「絶対打ってくれると信じていた」(木山主将)。チームの期待を背負った椎葉が放った打球は中前へ。これが劇的な逆転打となった。

リーグ2戦目の立命戦で足を負傷し、今シーズンの試合出場は不可能になった椎葉。ベンチから声をあげる日々が続いた。「ずっと試合に出たいと思っていた」と椎葉は話す。思わぬ場面で回ってきたそのチャンスに、見事に応えてみせた。

今季リーグは同志社にとって厳しいものとなった。リーグを終えて結果は2勝3敗。2部降格の危機でもあった。「勝ててよかった」と木山主将には安堵の表情が浮かぶ。夏に向け、どのようにまたチームを作りなおすか。克服すべき課題はまだまだある。

●春季関西学生ソフトボール男子(5月4日・万博記念公園スポーツ広場)
▽第3試合

  1 2 3 4 5
同志社 1 2 0 0 5 8
大産大 2 0 1 1 1 5

【同志社】○垣迫−永見
【大産大】●松沢−宮本 

○神戸大 敗北するも、成長の跡

さすがに3連戦とあって、エース美馬も疲れの色を隠すことはできず、京産大打線を封じることができなかった。守備の面でも序盤は堅さが見られ、5イニン グで3失策。「気持ちで負けずに行こうということだったが、何せ守備で足を引っ張ってしまった」と主将の柴田憲は話した。

しかしこの試合、神戸大の粘りの打撃が光った。初回に4失点で流れが相手に傾きかけたのを、打力で食い止めた。2回、二死から9 番梅田、1番柴田憲の連打で3点を奪い返し、神戸大の意地を見せつけた。結果的にはその後も京産大に得点を許し、コールド負けを喫したものの、「自分たち の実力さえ出せば、良い試合ができる」と柴田主将。この春の経験は必ず次につながる。

宿敵、大産大が同志社戦で敗れたため、大産大との直接対決で勝利した神戸大は自動降格を免れ、入れ替え戦に臨む。この日2安打と活躍した4番の守屋は 「自分たちは1部と戦ったんだという自信を持って戦いたい」と話す。まずは1部残留を確実にし、その後待ち受けるインカレ予選へと向け、また神戸大ソフト ボール部は始動する。

●春季関西学生ソフトボール男子(5月4日・万博記念公園スポーツ広場)
▽第2試合

  1 2 3 4 5
神戸大 1 3 0 0 3 7
京産大 4 3 0 3 4 14

(5回コールド)

【神戸大】●美馬−川西
【京産大】○伊藤−田中