神戸学大ポートアイランドキャンパスでは20日午前中に杉木明子・法学部准教授による授業が行われ、学生らおよそ60人が参加。アフリカなど途上国の問題や教育現場の現状を写真などで学び、ワークシートを使って「自分が出来ること」を考えた。授業を受けた村田幸子さん(法・4年)は「お金を出せば終わりではない。政治や経済に関わる人の意識の改革が必要だと思う」と話した。

 主に小・中学校の参加が多い「世界一大きな授業」を大学で行ったねらいを「社会にでて教育に関わる人もいるだろうし、どう関わっていくか考える機会になれば」と話す杉木准教授。大学生には「現状を知ってほしい」、「大きなことでなく小さいことからでいい」と訴えかけた。

 近大東大阪キャンパスでは、秦辰也教授が文芸学部・英語多文化コミュニケージョン学科に所属する生徒に講義を行った。比較的少人数クラスでの実施で、13人の生徒全員が何度も発言して理解を深めた。

 自身も2年前までは社団法人・シャンティ国際ボランティア会という組織でアジアの途上国支援に携わっていた秦教授は、授業でもその一端を紹介。現地の子どもが何度も読んですり切れた絵本を見て「(ぼろぼろになるまで)勉強したい子がいる。日本やアメリカが支援していかないといけない」と辰巳大樹さん(1年・文芸)は感想を話した。

注)「世界一大きな授業」は、およそ7200万人の学校に通えない子どもがいるといわれる世界の現状(ユネスコ・2007年)を訴え、教育の実現を願うために2002年から実施。昨年は世界で1200万人以上が授業を受けた。「教育のための資金」をテーマに据えた今年、日本の大学としては早大、法政大、聖カタリナ大など全国17校が参加した。