学生にも及ぶ不況の波
そんな中、収入に対して奨学金が占める割合が増大しており、下宿生では平均24980円で、アルバイトでの収入(23760円)を上回った。奨学金受給者も年々増え続け、日本学生支援機構から奨学金を受けている学生の割合は33.5%に達した。仕送りが減少する中、将来返済義務があっても奨学金に頼らざるを得ない、苦しい事情がうかがえる結果となった。
もう一つの大きな収入源とされるのがアルバイト。ここ半年でアルバイトをしたという学生の割合は76.8%となり、その目的としては「生活費の維持」(20.3%)、「生活のゆとり」(22.7%)などが挙げられた。また女子学生はアルバイトの目的として「旅行・レジャー」(男子16.3%、女子26.2%)、「衣類・バッグ」(男子15.4%、女子31.8%)を挙げた人の割合が男子学生に比べ突出して多かった。
収入の減少を受けて、支出もこの20年で最低額となった。ほとんどの項目が切り詰められる中、自宅生では交通費、下宿生では住居費がほぼ固定化され同じ水準を維持している。下宿生の食費は年々減少傾向が続き、今年度は24740円と25000円を割り込んだ。また、自宅生では前年度から、貯金に回す額が大幅増となり、今年もその傾向が続いている。貯金の目的としては、「将来の蓄え」(32.4%)、「予備の生活費」(24.1%)、「旅行などのレジャー」(24.0%)の3項目が目立った。学年別では、3年生は「就活」に、4年生は「旅行などのレジャー」にかける費用が、他学年に比べて多くみられる結果となった。
これらの結果について記者発表会に出席した米澤太一さん(京都工繊大・3年)は、「欲しいものがあると食費を削って、という人が周りにも多くいる」と学生の実情を話した。
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