○関大、PK戦制し準決勝へ

  流経大3人目のキッカーFW武藤の蹴ったボールを児玉が左手一本で止めた。「PKを3本目で止めるイメージは出来ていた。1年間ずっと練習してきて、予想ではなく、予測で止めた」と自信に満ちた表情で話した。先攻の関大は4人全員がゴールを決め、入れれば勝利という状況で迎えた5人目のキッカーDF田中雄。長い助走から放たれたボールは、ゴールネットを揺らし関大の勝利と準決勝進出を決めた。「日本一のための準決勝」(児玉)。あくまで関大は日本一しか狙っていない。

序盤は流経大に押し込まれ防戦一方になった関大だったが、MF中村のサイドからの突破やMF藤澤が中盤でボールをキープすることで徐々に関大らしさを取り戻した。ダイレクトパスやサイドチェンジもうまく使い守備陣を翻弄。関大のパス回しに対処出来ずに相手DFラインが下がったところを関大は見逃さなかった。前半終了間際の 41分、左サイドの田中雄から右サイドにいた藤澤にロングパスが通ると、藤澤が一人をかわして後ろから走りこんできた宇佐美に。ダイレクトで打った矢のようなシュートは一直線で流経大ゴールに突き刺さった。1回戦で途中交代を告げられ、自分の不甲斐無さを悔んだ宇佐美。得点という結果できっちり晴らした。「みんなが試合後に励ましてくれて 力になった」と宇佐美。チーム全員が助け合い生まれたゴールだった。

チーム一丸となってつかんだ勝利。関東リーグ王者を倒した関大は、この勢いそのままに悲願の日本一を果たす。

●<第58回全日本大学サッカー選手権大会準々決勝>(12月23日・<平塚陸上競技場ほか>)

関大 1 1-0 1

流経大

0-1

0-0(延長前半)

0-0(延長後半)
5-3(PK)
宇佐美 得点者

 

 

 

○関学、延長戦で散る

  試合の終わりを告げるホイッスルが、4年生の大学サッカー生活の終わりも告げた。2-3。運動量豊富な頑張るサッカーで延長戦まで粘るも、準決勝進出を決めることはできなかった。

  試合序盤から技術、フィジカルにおいて上回る相手にゲームをコントロールされる。だが、関学は関西一のチーム力を武器に、「全員守備、全員攻撃」の関学らしいサッカーで対抗。2度リードを奪われるも、得意のセットプレーから2度追いつき、延長戦へと望みをつないだ。

延長戦に入り、たびたびピンチを迎えるも、体を張った守備で必死にゴールを守る。だが、延長戦後半2分、相手の左足から放たれた鋭いシュートが関学ゴールへと突き刺さった。その場に立ちすくむ関学の選手たち。最後の最後に相手の技術によって110分の死闘に終止符を打たれた。目標の「ベスト4」へはあと一歩だった。だが、関東の壁は高かった。ベスト8、そこで関学の全国の舞台は幕を閉じた。

「すがすがしい気持ち」。全力で戦い抜いたこの1年を振り返り、4年生らが口をそろえた。「みんなとサッカーができるのは幸せなこと。サッカーを本当に楽しんで欲しい」(高田主将)。4年生は共に戦ってきた後輩にエールを送り、さわやかな笑顔で会場を後にした。

関学 2 1-1 3

駒澤大

1-1
0-0
0-1
高松
村井
得点者

山崎2
伊藤