ノーベル賞作家が語る「文化」
大江氏は1994年にノーベル文学賞を受賞した、日本を代表する文豪。講演では自分の学生時代を振り返りつつ、若い頃に影響を受けた考え方を紹介。文化人類学者の山口昌男氏の「文化は危機に直面する技術である」との言葉を引用し、文化と人の営みについて持論を展開した。
講演後は世界人権問題研究センターの理事長も務める、上田正昭・京大名誉教授と対談。上田名誉教授が「命の問題」と定義する環境問題を軸に、両人とも熱弁をふるった。「自然が文明の歪みを正す」(大江氏)、「自然が人間に人権を与えている」(上田氏)と語り、共に自然の大切さを強調した。
講演会には2000人余りから応募があり、抽選で500人が選ばれた。参加した大橋一寛さん(同志社・3年)は「人権とは独立した問題だと思っていたが、水の問題とかが人権と結びついているという話が印象に残った」と話した。
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