ジョニー・ウィア(米国)の得点開示後、高橋のメダル獲得が決まった。
 高橋は演技の初段階、4回転トゥループで転倒。「ええー」。スクリーン越しに見守る学生から悲鳴が漏れ、会場は不安に包まれる。だが、後半は持ち直した。高橋得意のステップでは手拍子や声援が送られ、盛り上がりを見せた。演技の終了後、「ありがとう」の声が飛び、メダル獲得がさらなる大歓声を呼んだ。

 織田は後半、靴ひもが切れる突然のアクシデントで演技を中断。驚きと心配の声が聞かれたが、演技の再開と共に「頑張れ!頑張れ!」とエールが送られた。

 両選手とも、五輪までの道程は長く険しいものだった。高橋は一昨年、練習中に右膝を負傷。厳しいリハビリを強いられた。織田はトリノ五輪代表選考となった全日本選手権での採点ミスや、酒気帯び原付運転の摘発により出場停止処分を受けるなど、不幸が重なった。その過去を背負い、懸命に挑んだ大舞台に感銘を受けた学生は多い。

 アイススケート部の澤田亜紀・副主将(関大・3年)は、「嬉しいです。もう取材とかいいから、メダルをかけさせてあげて下さい。最後の演技は泣きそうだった」と話した。
 同部の町田樹(文・2)は、「今まで以上に頑張って、先輩たちと同じ舞台に立ちたい」と意気込んだ。