前戦に引き続き先発を任されマウンドに上がったのは立命のエース藤原正。連投の疲れを見せず初回順調な滑り出しを見せたかに思えたが2回からペースが乱れ始める。今年のドラフトで北海道日ハムに1巡指名された東洋大の主将大野に四球を与えると7、8番に連続で死球、最悪のピンチを招くと、9番の犠飛で先制を許す。しかしここで日本一を目指す立命は黙ってはいられない。

 3番上内が四球で出塁しチャンスを作ると4番柳田は東洋大エースの球を中越に運び試合を振り出しに戻した。1戦目に引き続き柳田がチームの勝利に大きく貢献した一振りであった。

 しかし後半に入り、東洋打線が目を覚ます。相手の強力打線で安打を許し2点を奪われる。

 神宮での2勝目を信じて最後まであきらめずに戦ったが最終回、柳田のセカンドゴロに終わり、立命の日本一の夢は叶わなかった。

 神宮大会を2戦とも最後まで投げたエース藤原正。試合を終えロッカーを出たあとの第1声は指揮官への「すいませんでした」という謝罪だった。

 松岡監督に肩をたたかれ険しい表情だったがエースとして最後まで奮闘した達成感も感じられた。「根本的にピッチングをやり直さないといけない。でも東洋大と対戦できて楽しかった」と試合を振り返った。彼に期待する松岡監督は「いい投手になってくれた。今回でひとまわり大きくなった」と話した。春・秋のリーグ戦、夏の世界大学野球選手権そして神宮大会と終え立命を支える左腕として大きく成長した藤原正。大学野球の聖地神宮球場で2試合を完投し大きな自信がついた。これから立命は長い冬を迎える。再び来年、神宮の地に帰り、日本一の夢を実現させたいところだ。

◎乗替主将

「本当にいい仲間にめぐり会えて楽しかった。今はありがとうしかでてこない。自分がキャプテンができたのは理解してくれるメンバーがいたから。新チームには期待しています。やり残したことはない。」

◎藤原大輔

「日本一目指していたが相手のほうが上。最後に神宮で勝てて嬉しかった。大学野球に悔いはない。相手は強いのでチャンスをモノにするのは難しかった。(でも)絶対勝てないとは思っていなかった。(来年は)日本一になってほしい、それだけ。」

◎柳田一喜

「負けたのは本当に悔しい。これからも期待されていくので、それをプレッシャーに感じないようにしたい。最後に抑えられてしまったのが反省点。自分たちは1つずつ、そのときどきを全力でやっていく、最終的にそうなれば。」

●第39回明治神宮野球大会4日目第3試合(11月18日・明治神宮球場)

立命  000 100 000=1

東洋大 010 002 00X=3

【立命】 ●藤原正-乗替

【東洋大】○上野、内山-大野