観光客などで混み合うJR京都駅に力強い歌声が響く。ダンスパフォーマンスのほかに、全国193組の応募者の中から選りすぐられた10組のバンドの熱演。駅構内をゆく人々が、次々と足を止めて彼らの演奏に耳を傾ける。子供から高齢者まで、コンテストを楽しむ姿が見られた。  10組の中から、グランプリに選ばれたのは、徳島発インドア系4人組ギターロックバンド「Kano」。2位には、ドラム担当のメンバーが事故で欠場し、急遽2人で出場することになった「つのかくし」が、3位にはピアノを取り入れた演奏で注目を浴びた「WEAVER」が選ばれた。またインターネット投票で選ばれた1位のグループに贈られるksma.jp賞には、出場10組の中で唯一の高校生バンド「NACO」が輝いた。グランプリの「Kano」は、本祭2日目午後6時頃から行われるグランドフィナーレの中で、平安神宮境内特設ステージで特別ライブを行う。2位「つのかくし」と3位「WEAVER」も神宮道中央ステージでライブを行う予定となっている。  グランプリに輝いた「Kano」は、徳島文理大に通う男性4人組のバンドで、メンバーは全員四国出身。「Kyoto Student Music Award」について代表の福間一貢さん(徳島文理大・4年)は「四国にはこういう大きなイベントがないのでうらやましい」と話す。グランプリ受賞について「ほっとした。普段通りの力をだせばグランプリとれる自信は結構あった」と話し、「(賞金の50万円の使い道は)機材とイベリコ豚。明日のライブに向けて今日は禁酒をする。祝杯は四国に帰ってから上げたい」と笑った。  同祭典実行委員長の村井杏侑美さん(同志社・3年)は、「Kano」について「同じ学生とは思えないくらいレベルが高い。明日の平安神宮でのライブが楽しみ」と話した。本祭2日目に向けては「明日がファイナルという感覚はあまりない。与えられた仕事を一つ一つやっていって、事故なく終わらせられたらいい。絶対成功すると思っている」と自信を見せた。