「募金をお願いします」。遺児学生40人がミナミの繁華街で募金を呼びかけた。  遺児らを支援している「あしなが育英会」と「遺児と母親の全国大会実行委員会」が今年9月に行った遺児母子家庭の母親1402人に行った調査で、617人から回答を得た。回答者の40パーセントにあたる240人が「経済的な問題で進学に影響がある」と回答していたことがわかった。  同事務局で次長を務める野村隆弘さん(兵庫大・3年)は3歳の時に父親を肺がんで亡くした。高校1年からあしなが育英会から奨学金を受け始め、大学に入って募金活動を始めた。あしなが育英会から支援を受けている後輩が経済的理由で大学への進学を諦めたことに衝撃を受けたという。「もっと多くの人にこの現状を伝えないといけない」と話す。  20年連続で募金活動に参加している西川きよしさんが大阪松竹座で行われている舞台の合間をぬってセレモニーに参加。一人の人間、遺児らの父親として参加しているという西川さんは「突然病気や災害で親を亡くした子ら、夢や希望を持ってほしい」と願う。  「第77回あしなが学生募金」は10月18日、19日、25日、26日に午前10時から午後6時まで、全国約300拠点、関西では約50拠点で行われる。問い合わせは「あしなが学生募金関西事務局」(あしなが育英会神戸レインボーハウス内・078-453-2418)まで。集まった募金は遺児らの奨学金としてあしなが育英会に全額寄付される予定。