栗原さんは小学校6年生の頃から踊りを始め、昨年まで踊り子や振り付け師として活動してきた。しかし「何か新しいことをしたい。祭りを踊り子の自己満足だけで終わらせたくない。まわりから愛される祭りができないか」と思い、踊ることから離れ、運営に携わることにしたのだという。

 仕事は主に宣伝活動。「どこでやっているのか、どんな祭りなのかということを知ってもらうことがまず大事だった。ラジオや24時間テレビのイベントに出させてもらったりした」。また例年と違って、今回はステージを設けたことにより、観客から踊りがよく見えるようになった上、ステージ裏から踊り子が登場できるようになった。「観客と踊り子の両方の目線から考えられた」と栗原さんは話す。

 責任を負っている以上、「学生だから」という甘えは許されない。企業相手でも、自分たち自身も企業になったつもりで対応したという。「踊り子のときは仲間に甘えられる部分もあったけど、運営としてはそうはいかない。祭りはどうしても近隣に迷惑がかかるので、プレッシャーがある」。

 実行委員長を務めて得られたものは「いろいろな視点・見方ができるようになった」こと。「運営の仕事を通じて多くの人との出会い、その中で協力してくれた人や、手伝ってくれた仲間感謝の気持ちが持てるようになった」。それは、運営の仕事に関わるまでは気づかなかったことだった。

 最後に、栗原さんはよさこいとは「一生懸命になれるもの。たった4分30秒のために一生懸命練習できるよさこいってすごいと思う」と笑顔で話してくれた。