後半29分、FW井上。1年生FWの右足が火を噴いた。ゴール前混戦のこぼれ玉に、DF金が反応しヘディング。高く宙を舞ったボールはペナルティエリア中央へ。九産大DF陣の死角にいた井上が、ボレーシュート。「思いっきり打っただけ」。先制弾を二アサイドにぶち込んだ。

 「何度代えようかと思ったか」。須佐監督が苦笑いする。前半、トップ下で起用された井上だが、全くボールに触れなかった。そこで、指揮官は後半から井上をサイドに動かす。その采配が、見事にハマった。

 井上の先制点が、九産大を焦らせる。攻めに出てきた相手をいなし、トドメを刺すのは、阪南大の十八番。相手のスキを突いたカウンターで反撃する。後半44分、井上のロングスルーパスに抜け出したFW木原が決定的な2点目。阪南大が公式戦14連勝で準決勝進出を決めた。

 試合後、FW西田主将は「チームの怪我人が多い苦しい中で今日勝てたことは大きい。次の中京大にはチャレンジャーとして臨みたい」と話した。DF野田、DF吉川が離脱、MF小寺も体調不良。「アクシデントの連続だけど、これを乗り越えないと」(監督)。手負いの阪南大が、準決勝に挑む。

●2008年度総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント2回戦(7月8日・大阪長居第2陸上競技場)
 

阪南大 2 0-0 0

九産大

2-0

井上

木原

得点者