「FWは点取ってナンボ」。後半44分、ダメ押しの3点目を決めたのはFW角島(2年)だった。「右利きなんですけど、最近は左足のシュートを練習してて」。リーグ2節目にして、早くも練習の成果が出た。「交代して入った選手が、きっちり点を取ってくれた」と望月監督も、してやったりだ。

 リーグ開幕前、「得点王獲ります」と何度も口にしていた。その表情は真剣そのもの、決してリップサービスの発言ではない。「3試合に2点のペースで取れば、獲れる」。冷静に分析もしている。

 今シーズンから、リードしている状況で投入されることが多くなった角島。FWとして点を取りたい気持ちもあるし、チームのために前線からの守備をこなすことも仕事だ。その質問を投げかけると、若きストライカーは、「両方っすね」と言い切ってくれた。次こそはスタメンで、そして不動のFWになってみせる。

○試合分析(同志社)
 開幕戦では華麗でスピーディーな攻撃を見せた同志社。しかし今日の彼らの内容は悪かった。前半立ち上がりから動きが固い。「相手がもっとレベルの高いチームだったらやられてた」。DF森本(4年)も苦々しい表情を見せた。相手に退場者が出ても、その状況は変わらない。MF楠神(3年)の高速ドリブルなど、個々としては固さが消えたが、全体の連携は固いまま。「相手が引いてたので、それに合わせてしまった」(森本)。崩し切れず、スコアレスで前半を終えた。

 嫌な流れを断ち切ったのは、MF徳丸(2年)の果敢な飛び出しだった。左クロスにダイビングヘッド。1人少ない相手に先制点を奪えたのは大きかった。攻めるしかなくなった近大に、同志社の守備陣が立ちふさがる。リズムが悪いなりにも守りきれる同志社。着実に時計の針は進み、FW北森(3年)があっさり追加点を挙げ、角島が3点目。「効率良く」勝ち点3を奪い、首位に浮上した。

 最後に余計だったのが試合終了間際に許した失点だ。「スキを見せてしまった」(森本)。望月監督も、「あの失点を気にしていない選手がいた」と不安を漏らす。

 中盤に厚みを持たせる北森(3年)、スピードスター飯島(3年)、サイドを駆ける市川(2年)。タイプの違う選手が多い同志社のFW陣。彼らに与えられた枠は、ただ2つ。キャプテン松田直(4年)や、藤枝東から来た新人松田純(1年)がチームに復帰すれば、FW争いはさらに過激になる。「中盤以下は変えられない」。望月監督が話すように、MF・DF陣には万全の信頼を置いている。同志社が全国で戦えるために、残された課題は軸となるFWを据えること。中盤の得点力はあるだけに、加えてFWがきっちりと点を取れるようになれば、これほど相手にとって怖いチームはない。

●2008年度関西学生サッカーリーグ第2節(4月12日・山城総合運動公園太陽が丘陸上競技場)
 

同志社 3 0-0 1

近大

3-1

徳丸(後半9分)

北森(後半39分)

角島(後半44分)

得点者

山口(後半44分)