iPS細胞開発者がシンポ
シンポジウムではまず、山中教授が「iPS細胞の樹立」と題して講演。iPS細胞を作製するようになった契機などを話した。他にも東大、慶大、自治医大の専門家を呼び、今後国内でiPS細胞研究の主要となるメンバーが一堂に会したことで、シンポジウムであると同時に、「オールジャパン体制」の発足集会となった。
山中教授は今後のiPS細胞研究について、「(遠くではあるが)マラソンのゴールが見えてきた」と話した。また、再生医療実現に関しては、「我々だけでは限界がある。実際に患者を看ている人々もコンソーシムに参加してもらい、研究をしていく」とし他分野からの人材を広く集めたい意向を示した。今後、国際競争が進む中で、日本がリーダーシップをとって研究を進めていく構えだ。更に、「(シンポジウムに)1000人近く集まりiPS細胞に対する期待の大きさに驚いた。今後、iPS細胞ができるだけ多くの人に使われていけるようにしたい」と感想をもらした。
米科学雑誌サイエンスが12月21日に発表した今年の科学研究成果において「ヒトiPS細胞の作製」が第2位にランクイン。米ハーバード大などもヒトiPS細胞の作製に成功しており、iPS細胞による再生医療実現に向けての国際競争の激化は必死だ。ES細胞にかわりうる再生医療の担い手として今後、iPS細胞研究がどのように進展していくのか注目だ。
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