同協定により京大は、自身の「基礎研究志向・重厚性」に加えて、立命の「応用研究志向・機動性」を得てお互い欠けている部分を補い合うことで研究内容の高度化などを目指す。具体的な連携内容は、京大のバイオテクノロジーと立命のナノテクノロジーの融合を目指した薬工連携、地球自然回帰への共同提案、基礎科学分野における施設・設備の共同利用、産官学連携組織の連携の4つ。薬工連携については既に、微小なロボットを体内に送り込み薬剤を運ばせる「DDS」技術の共同研究が計画されている。また、京大のエネルギー理工学研究所、ウイルス研究所と立命のSRセンター、ナノマシンシステム技術研究センターなどの施設・設備の共同利用を推進することにより、基礎科学分野の交流、発展を目指す。
 

 

 両大学とも、その設立に西園寺公望が深く関わっており、「自由の学風」(京大)、「自由と清新」(立命)と共に「自由」を学風に掲げている。「歴史的に親近感のある相手」とは京大の尾池和夫総長。「これまで個別には共同研究が沢山行われてきた。(今回の協定により)それらをまとめることは、更なる交流推進のために重要」(尾池総長)。また、教育の現場での両大学の交流に関しては「(今回の協定が)つながると思う。議論を進めたい」。立命の川口清史学長は「お互いの良さを出し合って、(一方の大学に)ない分野と連携していきたい」と話した。
 

 

 京大は平成16年4月の独立法人化以降、京都市立芸大、早稲田大、慶応大と3つの大学と連携協定を結んだ。今回の立命との協定は、関西の総合大学との同様の協定としては初となる。