同志社、大体大が5勝1敗で並んで迎えたリーグ最終戦。大体大に勝利している同志社は立命に勝てば、直接対決の関係上優勝が決まる状況だった。
 同志社はFW陣が立命を圧倒。モールで再三ゴール前まで押し運んだ。昨年の課題だったFW陣で優位に立った同志社は前半15分、WTB宇薄が敵陣22mから3人を抜き去り先制トライ。同志社はこのトライを皮切りに6連続でトライを奪取。中尾監督が掲げた同志社らしい「攻める姿勢」で立命を圧倒した。ディフェンスも終盤に2本トライを奪われるなど集中力を欠いた部分もあったが、全体的には安定感を見せた。
 昨年は5年ぶりに王座を明け渡し苦杯を舐めた同志社。今年春には同志社ラグビーを全国3連覇に導いた名将・岡仁詩さんの急逝、部員の不祥事で2か月間の公的活動自粛など、選手・スタッフともに精神的なダメージを受けた。「一言では言い表せない重圧があった」と中尾監督が話す10月7日の開幕戦では、天理大に32年ぶりに敗北を喫する。リーグ序盤でBK陣の主力だった森田、大久保などを怪我で失うなど、同志社ラグビー部は逆境に立たされた。
 「天理戦に負けてから、優勝は意識しなかった。支えてくれた人達の為に1戦1戦大事に戦った」と主将・前川は振り返る。2戦目以降は同志社の持ち味である「攻めるラグビー」で泥臭く這い上がってきた。
 「自分の現役時代も含めて、何とも言えない特別な優勝」と中尾監督。「目指して来た場所はここじゃない。次は日本一になろう」。試合終了後、同志社の主将・前川は涙を浮かべながら部員達にこう呼びかけた。