ショットを撃つと、グランドに倒れ込んだ。主将の意地だけではない、3年前、全く同じ状況で京大に負けた悔しさが、MF竹川主将の決勝ゴールを生み出した。

 先制したのは、リーグ2位の関学だった。「僕らの持ち味はブレイクラクロス」(竹川)。これが見事にはまる。緊張のせいかプレーが固く、ミスでボールを失う京大に対して、シンプルな速攻で関学が2点を先取。ここから、試合は壮絶なシーソーゲームとなる。

 関学がネットを揺らせば、連覇を目指す京大が追いつく展開。前半を3-1で折り返した関学だが、一転、第3Qでは京大の怒濤の攻めにさらされる。第3Qを終えて、5-5。迎えた第4Q、関学が開始直後から2点を連取し、勝負は決まったかに見えた。その後、互いに1点ずつを取りあい、関学1点リードで迎えた15分、昨年度リーグ戦MVP、京大MF中村に執念の同点ゴールを決められ、試合は延長戦へ。
 
 3年前、ファイナル3決勝で、両チームが相まみえた。互いに譲らぬシーソーゲームとなり、延長戦の末、関学は京大に敗れた。その試合をスタンドで観戦していた、当時1年生の竹川主将。今回は、試合前に3年前のVTRを繰り返し見、モチベーションを上げていたという。

 そして延長3分、第3Qから足をつっていたという竹川主将。「(足をつっているから)ボールを持ったら、すぐにショットを撃とうと思っていた」。思いきって放った気迫のショット。ゴールネットが揺れ、関学ベンチから選手が飛び出してくる。スタンドが揺れ、京大の選手がクロスを地面に投げつける。「苦しい試合だった。(ゴールが決まって)ほっとした」(竹川)、「勝負がある以上、一つのチームしか勝てない」(京大・出口主将)。雪辱と連覇、それぞれのプライドをかけた戦いが終わった。
 
 両チーム、次なる舞台は全日本選手権。「自分たちのブレイクラクロスが、社会人相手にどこまで通用するのか試したい。恐さはない、本当に楽しみ」(竹山)、「関学を軽視していたわけではない。(全日本選手権まで)2週間ある、今日の反省を生かして良い形で臨みたい」(出口)。喜びにも、悲しみにも浸っている余裕はない、いざ、全国へ。

●関西学生ラクロスリーグ男子ファイナル3決勝(11月23日・長居球技場)
 

  1Q 2Q 3Q 4Q  5Q
関学 2

 

1

2 3  1 9
京大 0 1 4 3  0 8