苦しい試合、もぎ取った勝利
まさに、「辛勝」だった。
試合が動いたのは前半6分。右CK、MF荒堀からのグラウンダーのボールがMF滝口の前に。そのシュートのこぼれ玉をFW飯島が詰め、同志社が先制する。寒空の下、ただ一人半袖のFWが3試合連続のゴールを奪い、「これで波に乗れた」(飯島)はずだった。だが、「気の緩みがあったかな」(同志社・望月監督)。前半10分にすぐさま同点に追いつかれてしまう。この失点から、前半11分にはクロスバー直撃のシュートを打たれるなど、同志社は防戦一方に。サイドを好き放題に支配され、やみくもなロングボールでしか攻撃に転じることが出来ない。
そんな重苦しい空気を一掃したのは、またもや飯島。「ああいうスピードを生かしたプレーが、僕の持ち味」(飯島)。前半27分、MF大森のスルーパスに、オフサイドラインぎりぎりで抜け出すと、キーパーの脇を突いて再びリードを奪う。このリードをなんとか守りきり、勝負は後半戦へ。
試合を折り返すと、疲れのためかミスの目立つ大体大に対して、同志社が中盤でボールを落ち着かせられるようになる。前半13分には、相手DFのクリアミスを飯島がかっさらい、決めればハットトリック、というシュートは無情にもゴール上へ。その後、何度か個人技やロングボールから決定機を作られるも、GK川原や、はたまたゴールポストがシュートを弾き返し、着々と時計の針だけが進んでいく。そして迎えた後半39分、試合を決める3点目が入る。MF楠神の右サイドへのロングボールに追いついたFW松田がDFを振り切りシュート。キーパーに弾かれるも、こぼれたボールをFW岡が豪快に蹴りこみ、3-1。今年度春季リーグ2位、関西学生選手権優勝の大体大に競り勝った。
試合後、望月監督は、「大体大のように、ロングボール主体で攻めてくる相手とはやり辛い。パスの出所を抑える前に今日は失点してしまった。だが、後半はよく無失点に抑えてくれたと思う」と安堵の表情を見せた。
今年度のリーグ戦も1試合を残すのみとなった。「関学に勝てばインカレに行ける。次を4年生の引退試合にしたくない」。飯島の熱い言葉が、次節関学戦への決意を物語る。
○同志社・望月監督 最終節を残して優勝を決めた大院大について。「一人一人が本当に自分の役割を理解して、まとまっていたチーム。素直におめでとう、と言いたい」
●関西学生サッカーリーグ1部第8節(11月18日・大阪長居第二陸上競技場)
同志社 | 3 | 2-1 | 1 |
大体大 |
1-0 | ||||
飯島2 岡 |
得点者 |
山下 |
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