「今まで全然点が取れなくて悔しかった。今日は個人的にはすっきりしました」。昨年度春季リーグ得点王、FW阪本が復活の2得点1アシスト。関大が同志社との上位対決に勝利した。

 後半44分、中盤のこぼれ玉を拾うと、手薄な相手DF陣を切り裂く。ペナルティエリア外左からの強烈なミドルシュートは右ポストを直撃。跳ね返りをFW森が相手をかわして左足で流し込む、3点目。試合は決まった。

 前半は圧倒的な関大ペース。同志社MF楠神が試合後に、「やっぱり(関大は)レベルが違う」と語った、中盤での細かいパス回しから何度も決定機を作り出した。前半6分、3人のDFに囲まれながらも、右クロスを阪本が合わせ、先制。同25分、ペナルティエリア外左からのMF西岡のFKはクロスバー直撃。さらに同30分には前線からのプレスから、相手DFのバックパスを阪本がかっさらい、リードは2点に。FW金園も組み立てに参加する関大の分厚い攻撃に、なかなか攻撃の糸口を見出せない同志社。前半終了間際の同43分に、FW飯島がハーフウェーラインから一人でドリブルで持ち込んで1点を返すのがやっとだった。

 後半に入ると、関大に疲れが見え始め、同志社が息を吹き返す。前半支配された中盤でボールを拾えるようになり、何度もセットプレーからチャンスを作り出す。後半26分には、ペナルティエリア右外からのMF荒掘のFKがクロスバーをかすめ、観客席からは悲鳴とため息が。しかし、相手に試合の流れが動いたとき、「前半終了間際に1点返されて、後半相手が勢いに乗ってくるのは分かっていた。相手にいけると思わせないように、前線からのプレスをかけた」という関大川端監督の指示が功を奏す。FW陣が走り回ってプレスをかけ、「DF陣を楽に出来た」(阪本)ことで、得点をさせない関大。「しんどい時間に点をやらなかったのが大きかった」と川端監督が語り、「技術はあったが点が取れなかった、決定力に課題がある」と同志社望月監督は語ったこの試合は、森の3点目で関大に軍配が上がった。

 リーグ戦は残り2節。関大の目標は、「リーグをかき回して混戦にしたい」(川端監督、FW阪本)。対する同志社の目標は、「残り2つ勝って次につなげたい」(望月監督)。同日行われた1位大院大と2位関学との首位決戦は2-2のドローに終わった。この秋のリーグから、ますます目が離せなくなってきた。

○楠神(同志社) 一世を風靡した一昨年のセクシーフットボール、野洲イレブン。対戦相手の関大のスタメンには、当時一緒にプレーしていた後輩のDF田中が。「試合中に1点取らせてって言ったんですけど、断られました」

●関西学生サッカーリーグ1部第7節(11月10日・山城総合運動公園太陽が丘球技場B)
 

関大 3 2-1 1

同志社

1-0

阪本2

得点者

飯島