同祭展は、「新たな京都の伝統へ」をコンセプトに企画から協賛活動、広報、警備まで全て学生で運営される祭りだ。50大学6専修大学から計512人がスタッフとして参加した。
 5回目となる今年は同祭典の新たな象徴として、「京炎みこし」が制作された。西陣織、漆塗り、和紙を使った装飾など、「京都らしさ」が盛り込まれた。地元の職人に指導され、学生と共に制作されたみこしは、より地域に根付いた祭りを目指したという。
 みこしは6日に新風館で初披露され、7日のパレード、グランドフィナーレで担がれた。
●1日目
 1日目のメインテーマは「音楽」。京都発・全国学生音楽コンテスト「Kyoto Student Music Award」が京都駅ビル大階段で行われた。この企画は、同祭典と同じく5回目を迎える。「学生アーティストの夢をあと押しする!」をコンセプトに全国から学生アーティストを募集した。303組の応募が集まり、予選を勝ち抜いた10組が本選でステージを行った。グランプリには賞金50万円が贈られ、株式会社GIZA studioからプロデビューへのバックアップがつく。各アーティストはラップ、バラード、ヒップホップなど様々ジャンルをそれぞれ2曲披露した。優勝は、男3人と女1人のバンド「Qjo」。京都工芸繊維大学の軽音サークルから出場した。京都駅ビル大階段にはボーカルの力強い歌声が響き渡った。ボーカルの辻まおさん(京都工芸繊維大・2年)は、「優勝出来て驚いています。大階段は開放感があってお客さんの顔がよく見えた。(これからは)楽しく長く、自分たちのライブができたらいいな」と話した。
●2日目
 2日目は、「おどり」がメインテーマ。今年で3回目となる「京炎 そでふれ!全国おどりコンテスト」が開催された。今年は過去最高の約150団体が出場。神宮道の6ステージ、京都会館第一ホールと岡崎グラウンドの2ステージの合計9ステージが会場とされた。よさこいや、ヒップホップ、民謡など、ジャンルを問わず、子供から大人までが踊った。
 同祭典オリジナルの創作おどり、「京炎そでふれ!」の踊り手として参加した大家洋平さん(立命・1年)は、「一緒に練習してきた人たちとこのような大舞台で踊ることができて、楽しかった」と笑顔で話した。
 会場各所では他にも「5周年メモリアルステージ」や、「第10回京都国際学生映画祭inKIF」など様々な企画が催され、100店以上もの縁日が出店された。
 ラストを締めくくるグランドフィナーレは平安神宮境内で行われた。闇の中に平安神宮がライトアップされ、神秘的な雰囲気を演出した。「京炎そでふれ!」で開幕した後は、前日に行われた「Kyoto Student Music Award」の優勝者が生演奏を行い、「京炎 そでふれ!全国おどりコンテスト」の優勝者が発表された。大学生の部は、上位2組がステージで踊りを披露し、最終審査が行われた。優勝したのは、大人数での迫力あるヒップホップダンスを披露した「京都大学EgoisticDancers」。メンバーの鈴木淳さん(京大・2年)は、「まさか自分達がここ(ステージ)に立てるとは思っておらず嬉しい。本当に気持ち良く舞台に立てて幸せ。来年は2連覇を狙いたい」と興奮した様子だった。
 最後には出演者、スタッフ、来場者が一体となり約6000人が総おどりを行い、平安神宮の境内は、熱気で包まれた。初めて同祭典に訪れたという福富菜穂子さん(京女大・2年)は、「場所が平安神宮なので、普通のお祭りではなく、京都の祭りという感じがしました。祭典側もお客さんも表情が生き生きしていた」と話した。
 同祭典を終えた、実行委員長の藤田卓也さん(京大・3年)は、「人とのつながりを実感できるお祭りだったと思う。本当に濃い一年だった。(同祭典が)京都の学生の象徴として何年も何年も続いていってくれればと思う」と感無量の様子だった。