近大の巽は初回から奪三振ショーを披露した。圧巻の9者連続奪三振は46年ぶりのタイ記録。京大打線から空振り三振の山を築いていった。新記録の期待のかかる4回表。「(記録を)意識してストライクを投げようとしすぎた」(近大・巽)と先頭打者に四球を許し、奪三振記録はタイ記録にとどまった。さらに直後に守備のミスもからんだ内野安打を許し、無安打無得点試合も逃してしまう。しかし、これで「逆に落ち着けた」という巽はさらに奪三振を奪っていった。終わってみれば、9連続1回、5連続2回を含む23奪三振。それまでの最多記録だった平成8年の立命・大久保の18個を5個も上回る大記録となった。「こんなにできるとは思わなかった」(巽)。23個の記録は試合後に確認し、「自分でもびっくりした」(巽)という。試合後にウイニングボールを手に笑顔の巽。5連覇を狙う近大の大黒柱として十分な投球を披露した。
 近大打線の調子が良くない状態で2戦とも、先発投手がこれ以上ない結果を残した。
1回戦の山本哲、2回戦の巽。先発の2本柱がこの調子を維持し続けることができるのか。試合を重ね、さらなる進化を遂げるのか。次節は同志社戦。両者の真価が問われるのはこれからだ。
●関西学生野球春季リーグ第1節2回戦(4月7日・西京極球場)
▽第1試合(関大-同志社)
 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
同志社 1 0 5 0 0 0 0 0 0 6
関大 0 0 3 0 0 0 0 0 1 7

【同志社】佐々木、○宝田、佐川-佐谷、小村
【関 大】●伊勢、新田、横山、渡部、澤田-永松、田辺
 

▽第2試合(近大-京大)

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
京大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
近大 0 0 0 0 3 0 0 5 8

【京大】●尾藤、水木、山下-吉村
【近大】○巽-林部