会場では晴天の下、保護者や友人と連れ立って多くの新入生が足を運んだ。
 午前10時に始まった式典で野上学長は、神戸大が培った「真摯」「自由」「協同」の精神について言及した。「60か国を越える国々から、異なった環境で育った2万人が一つの時間と場を共有する。このことがもたらす可能性は計り知れない」と話し、神戸大生の特権をフルに活用するよう、新入生を激励した。
 今年度は大学OBを代表し、旧神戸経済大(神戸大)を昭和23年に卒業した岩崎正視さんが「新入生の皆さんへ」と題した記念講演を行った。トヨタ自動車副社長、名城大理事長、名古屋グランパスエイト取締役社長などを歴任した岩崎さんは、自身の学生生活や日本を取り巻く世界情勢について触れた後、新入生へのお願いとして使命感、目的意識を持った学生になってほしいと話した。「まずは他人とのコミュニケーションや読書を通して教養を深めること。専門性を磨いた上で、広い知識と教養に裏付けられた人間力をつけてほしい」と呼びかけた。
 応援団や吹奏楽部による恒例のパフォーマンスも行われ、新入生の入学を祝った。文学部に入学した女子学生は「(入学式会場近くでも)いろんなサークルがビラを配ってたのでびっくりした。勉強とサークルが両立できる学生生活を送りたい」と抱負を語った。国際文化学部に入学した男子学生は「バイトしてお金を貯めたら留学したい。学生生活に慣れてたくさん友達ができれば」と話した。