経済学部の合格発表掲示板には、多くの受験生達が期待と不安の入り交じった表情でまだかまだかと固唾を飲んでいた。合格者の番号が掲示されると、まっさきに男子学生が喜びの声を上げた。しかし、毎年恒例のアメフット部員による胴上げは見られなかった。

 経済学部に合格した釣公士朗君(白陵高校出身)は、京大に通うお兄さん、いとこの二人に抱えられ、幸せそうな顔をしながら今の心境について語った。「もう最高です。受験までは必死に耐えたので、大学に入ったら思いっきり羽を伸ばしたいと思います」。
 また、アメフット部元部員の事件について「騒がれるのは、京都大学生が起した事件というのが珍しいからだと思うのですが、彼ら個人がクローズアップされるのがかわいそうです」と話した。

 母親と一緒に来ていた桜木正俊君(栄光学園出身)は、工学部に合格。「大学に入ったら、とりあえず1・2回のうちは勉強に集中したい」と話した。また、その母親は、「学生である以前に、一人の人としてやって良いことと悪いことの区別をつけていてほしい」とホッとした様子だった。

 例年と比べて、胴上げをされている受験生が少なかった。学生部学生課によると、以前から一部の教員の間でも胴上げの危険性について指摘する声もあり、昨年の春から体育会に自粛を求めていたという。